2009年08月19日

遠路はるばるお越し頂いて

今日は、交通事故で入院されている被害者の方とお会いしてきた。

というのも、僕の仕事というのは、うちの会社の契約者が加害者となった場合に、被害者にお詫びと今後の対応をすること。
「加害者の代行」と表現すれば伝わるだろうか。
加害者の代わりに治療費を支払ったり、休業補償(お仕事を休ませてしまった分の補償)をしたり、慰謝料を払ったり。

正直、被害者の方の中には激昂される方もおり(むしろ、こちらの方が多い?)、過去には怒鳴られっぱなしで挨拶が終わった経験もあるわけで、対応に非常に気を使わなければならない。

過去の苦い経験が脳裏をよぎるが、そんなのおかまいなし。

今回は、60代女性。

うーん、情報がなさすぎる。。。

が、行かねば誰が行く。

いざ。

というわけで、武雄市病院まで車を走らせた。


病院に到着し、いよいよ被害者面談。

病室で出迎えてくれたのは、深々とお辞儀をされている人の良さそうな初老の女性。

「今日は遠路はるばるお越し頂いて、ありがとうございます。」

なんていい人だ。

この前2時間弱も僕を怒鳴り続けた○○!この女性を見習え!という小さな自分を押し殺しながら、被害者の方とお話をさせて頂いた。

どうやら、農家を営んでおられるようで、事故当時、直売所へ葡萄を運んでいたとのこと。
事故の衝撃で葡萄は見るも無惨な形になってしまったそうだ。
お身体の怪我をよそに、延々と葡萄の話をされる被害者の方に、なぜか僕は涙を流してしまった。

「私たちが作ったものは、是非食べてもらって、それで喜んでもらいたい。それが私たちにとって一番嬉しい。」

将来、僕に子供ができて、もし、その子供が事故で亡くなったとしたら。
僕はそうとらえて、涙を流さずにはいられなかった。

葡萄などの作物に費やす年月と、子供を育てる年月には明らかに違いはあるが、生きて死ぬという人生の「春夏秋冬」に表せば、あまり違いはないのではなかろうか。

僕はそう思い、また涙を流したのである。


こんな僕に、被害者の方は優しく、
「今日は遠路はるばるお越し頂いて、ありがとうございました。お気をつけて、お帰りくださいね。あっ、あなたたちはベテランだから、事故は起こさないわね。」
と言ってくれた。

やっぱりこの仕事、楽しいぞ。
posted by skabass at 21:50| 福岡 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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